日本の平均年収はここ30年変わっていないと言われています。
各種の調査、統計がありますがどれを見ても概ね変わらないか、下手をすると下がっていることが分かります。
もちろん業界や企業によっては高年収をもらえるところがあります。
それでは半導体業界と関連企業はどうでしょうか?
この記事では、東洋経済オンラインの記事を基に半導体関連企業の平均年収をランキングにしています。
ご自身が務める企業や就職、転職を考えてみえる方にとって参考になれば幸いです。
【プロフィール】
- 上場企業の現役半導体プロセスエンジニア
(経験10年以上) - 多くの材料メーカーや生産委託先企業との業務経験あり
- 著書を出版しました
- 詳しいプロフィールはこちらからどうぞ
- 半導体業界に興味関心がある
- 半導体業界に就職したい学生さん
- 半導体業界に転職したい社会人
動画で解説!半導体業界年収ランキング30社
日本の平均年収は433万円
まずはじめに日本の平均年収を確認しましょう。
国税庁の令和2年度民間給与実態統計調査によりますと、日本の平均年収は433万円となっています。
ここで注意しなければならないのは、この値はあくまでも平均値であり、中央値で見た方が実態に近いという点です。中央値ではもう少し低い値となるはずです。
この点に気を付ければ、おおよその値としては参考になります。
業種別にみますと製造業では501万円となっており、全体平均よりも高い値となっています。
年代別にみますと40~50代の男性がもっとも高くなっています。
終身雇用、年功序列が崩壊しつつあるとは言え、おじさんたちの給与はまだまだ高いというのが実態ですし、皆さんの肌感覚とも合致するのではないでしょうか。
半導体業界の年収ランキングベスト30
上図は半導体業界全体の企業別年収ランキングになります。
基は東洋経済オンラインで紹介されています「平均年収「全国トップ500社」最新ランキング」です。
ここで紹介されている500社の中から半導体に関連する企業を抽出したものです。
2列目の全体順位がそのトップ500社ランキングの順位です。
半導体業界でのベスト3は
- 1位:レーザーテック(1,310万円)
- 2位:東京エレクトロン(1,179万円)
- 3位:ソニーグループ(1,044万円)
となっています。上位3社はいずれも1,000万円を超えています。夢がありますね。
半導体製造メーカーの年収ランキング
全体のランキングから半導体製造メーカーを抜粋したものが上図になります。
全体の3位に入ったソニーグループをはじめ、東芝や三菱電機、ルネサスエレクトロニクスなどの日本の大手企業が並んでいます。
製造メーカーは工場や装置などに投資や維持の費用がかかりますので、大手企業が入ってくるのは納得です。
ただファブレスのメガチップスや富士通研究所からスピンオフしたQDレーザといった企業もランクインしています。
未上場のため、このランキングには登場しませんが、キオクシアは有価証券報告書によりますと1,128万円ですので日本の半導体製造メーカーとしてはトップになります。
半導体製造装置メーカーの年収ランキング
全体のランキングから半導体製造装置メーカーを抜粋したものが上図になります。
半導体製造装置メーカーは一芸に秀でた企業が日本にはたくさんあり、それらの企業は年収も高い傾向にあります。
全体ランキングで1位、2位であったレーザーテック、東京エレクトロンをはじめ、アドバンテストやディスコなどの独自の強みを持ち、特定分野で高いシェアを持つ企業が並んでいます。
世界的な競争力を持っている企業は業績も良く、社員の給与にも反映されているようです。
半導体材料メーカーの年収ランキング
全体のランキングから半導体材料メーカーを抜粋したものが上図になります。
半導体材料メーカーは製造装置メーカーと同じく、独自の強みを持った企業が多く年収が高い傾向にあります。
ここでのトップは半導体製造に欠かせない超純水をつくる水処理技術に強みをもった栗田工業で、2位はCMPの研磨剤をつくるフジミ、3位はシリコンウエハ世界首位の信越化学が続いています。
製造装置メーカーと同じく、世界的な競争力を持っている企業は業績も良く、社員の給与にも反映されているようです。
半導体商社の年収ランキング
全体のランキングから半導体商社を抜粋したものが上図になります。
3社しかランクインしていませんが、やはり商社は半導体に限らず年収が高い傾向にあるようです。