半導体を学ぶために必要な最低限の知識は真性・P型・N型半導体の違いと、PN接合、そして基本素子であるダイオードとトランジスタ(バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタ)です。
教科書を読んでもわかりにくい部分ですが、今はわかりやすく説明してくれる動画がYouTubeにたくさんあります。
この記事ではわかりやすく半導体と半導体素子の基礎を説明している動画をご紹介します。
これから半導体について学びたい方や学び直したい方はぜひとも最後までご覧ください。
真性半導体とP型・N型半導体
真性半導体とは、高純度シリコンのように不純物が極めて少ない半導体結晶のことです。i型半導体とも呼ばれます。
ここで言います高純度とは想像を絶する世界です。
どのくらい高純度かと言いますと、99.999999999%(イレブンナインと呼ばれる)ほどの高純度です。
不純物が1000億分の1個、地球10数個分の人口に対して1人が違うといった壮大なスケールでの高純度を指します。
P型半導体とは、電荷を運ぶキャリアとして正孔(ホール)が使われる半導体のことです。4価の元素であるシリコンに3価の元素(ホウ素やインジウム)を添加することで作られます。
このときの3価の元素のような正孔を生み出す原子をアクセプタと言います。P型のPは、キャリアが正孔であるためポジティブ(Positive)から付けられています。
N型半導体とは、電荷を運ぶキャリアとして電子が使われる半導体のことです。4価の元素であるシリコンに5価の元素(リンやヒ素)を添加することで作られます。
このときの5価の元素のような正孔を生み出す原子をドナーと言います。N型のNは、キャリアが電子であるためネガティブ(Negative)から付けられています。
ダイオードとバイポーラトランジスタ
ダイオードとは、ひとつのPN接合(P型半導体とN型半導体の接合)を持つ2端子の半導体デバイスです。
PN接合の少数キャリア注入と拡散減少を利用して一方向(順方向)のみに電流を流すことができます。この特性は整流回路などに利用されます。
PN接合ダイオードには、大きく3種類のダイオードがあります。
- 一般整流用ダイオード
- 定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)
- ファストリカバリダイオード(FRD)
またPN接合ではなく、半導体と金属を接合したショットキーバリアダイオード(SBD)というダイオードもあります。
バイポーラトランジスタは2つのPN接合を持ち、電子と正孔の両方のキャリアを利用して増幅やスイッチング動作をする3端子の半導体デバイスです。
構造の違いからNPNトランジスタとPNPトランジスタに分けることができます。
電界効果トランジスタ
電界効果トランジスタは、バイポーラトランジスタとは異なり、電子または正孔のどちらか1種類のみが働く半導体デバイスです。
その構造と原理から接合型電界効果トランジスタと絶縁ゲート型(MOS型)電界効果トランジスタにわけることができます。