【半導体業界ニュース】2023年1月のニュースを7本厳選してご紹介!

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1月に半導体業界で生じたニュースを7本厳選してご紹介します。

目次

動画で説明:半導体業界ニュース2023年1月号

2023年1月末時点の世界半導体市場と株式市場推移

各ニュース記事:半導体業界ニュース2023年1月号

TSMC、台湾新工場で3nmプロセス品の量産開始へ

世界最大のファウンドリ企業である台湾TSMCは12/29、台湾台南市の台南サイエンスパークに建設した新工場で3nmプロセス品の量産を始めたことを発表しました。

TSMCによりますと、3nmプロセスは最先端の半導体技術であり従来の5nm(N5)プロセスと比較して、最大1.6倍の論理密度向上と30~35%の電力削減を実現するということです。

TSMC会長のマーク・リウ博士は「TSMCは、台湾で大規模な投資を行いながら、技術的なリーダーシップを維持していく」とコメントしています。

TSMCは米国アリゾナ州に3nmプロセスに対応した新工場を建設することを先日発表していますが、工場の完成は2026年の予定です。米国新工場よりも4年先行する形で台湾の工場が稼働し、先端半導体製造を台湾に依存する形は当面続く見込みです。

コメント

台湾以外への製造拠点分散を一部で進めているTSMCですが、最先端プロセスの立上げは台湾で進んでいます。2025年には2nmプロセスが立ち上がるという報道もされており、TSMC1強の時代はまだまだ揺らぎそうにありません。

基ニュース

TSMC:プレスリリース(12/29)

昭和電工、23年1月から社名を「レゾナック」に変更

2023年の1/1付けで、昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が統合し、持株会社である株式会社レゾナック・ホールディングスと事業会社である株式会社レゾナックとなりました。

両社の代表取締役社長には昭和電工と昭和電工マテリアルズの社長(兼任)であった高橋秀仁氏が就任しています。

2社の統合によって、売上高の3割を半導体事業が占め、世界トップクラスの売上規模を持つ半導体材料メーカーとなっています。 特に後工程の分野においては、売上高で世界一であり、圧倒的な存在感を持っているとしています。

今後はコア成長事業を半導体・電子材料に定めて集中的な投資を行い、2030年には売上高の約45%を占める主力事業にする方針です。

コメント

新社名であるレゾナック(RESONAC)は、英語の「RESONATE:共鳴する・響き渡る」と、CHEMISTRYの「C」を組み合せることから生まれたそうです。
SiCウエハや後工程材料で強みを持っていますので、方針にあるように投資を継続してもらい競争力向上を図ってもらいたいです。

基ニュース

レゾナック

EE Times Japan記事

ラピダス、IBMとのパートナーシップを拡大へ

ラピダスとIBMは1/5、両社のパートナーシップ拡大について日米政府に報告をしました。

ラピダスの小池社長が米ワシントンDCで行われたレモンド米商務長官と西村経済産業大臣との会談にIBMのダリオ・ギルシニア・バイス・プレジデント兼IBM Researchディレクターとともに参加しました。

その会談では、両社の共同開発パートナーシップの概要や進捗状況が報告され、さらなるパートナーシップの拡大について公表されました。具体的には、2020年代の後半にラピダスで生産開始予定である2nmプロセス品で高性能コンピューターを含む新市場創出に共同で取り組み、グリーントランスフォーメーション(GX)の推進に貢献するとしています。

また公表された資料によりますと、ラピダスのパイロットラインの工場建設が2025年頃を予定しているとされています。

コメント

昨年末から進んでいますラピダスとIBMとの提携がより具体的になってきました。今回は日程計画が公表され、パイロットラインの建設についても明言されています。国内のどこにどの程度の規模の工場が建設されるかはまだ不明ですので、今後の展開にも要注目です。

基ニュース

ラピダス:プレスリリース(1/5)

TSMC、22年4Q売上高は前年同期比43%増加

台湾TSMCは1/12、2022年第4四半期(10月から12月期)決算を発表しました。

連結売上高が前年同期比42.8%増の6255億3000万NTドル(199億3000万ドル)、純利益が前年同期比78.0%増の2959億NTドルでした。

第4四半期売上高における先端プロセスの割合は、5nmプロセスが32%、7nmプロセスが22%であり、7nmプロセス品以下が全体の54%を占める規模となっています。 プラットフォーム別の売上高はHPC向けが42%、スマホ向けが38%ですが、スマホ向けは前4半期比ではマイナスとなっています。

2023年第1四半期の業績見通しについては、売上高は167億ドルから175億ドルの間と予想されており、マイナス成長になる見通しです。

コメント

半導体業界はメモリを中心に厳しい状況の中ですが、TSMCは相変わらずの強さを発揮しています。とは言え2023年の第1四半期はマイナス成長予測になっています。それでも純利益は40%を超えてくる見込みですので、その強さは変わらないですね。

基ニュース

TSMC:プレスリリース(1/12)

レゾナック、インフィニオンとのSiC材料供給提携を強化へ

レゾナック(旧昭和電工)は1/12、パワー半導体の大手である独インフィニオンテクノロジーズとSiCウエハの新たな複数年の供給・協力契約を締結し、2021年に締結した販売および共同開発契約を補完・拡大することで提携関係を強化することを発表しました。

同社では150mm(6インチ)ウエハの供給に加えて200mm(8インチ)ウエハの製品供給も計画しているとのことです。

さらにインフィニオンとの提携関係を強化することで、SiCウエハの技術改善、品質向上を加速させるとしています。

コメント

今年からレゾナックに社名変更した旧昭和電工がパワー半導体材料であるSiCウエハについてインフィニオンとの提携を強化します。日本のデバイスメーカーも存在感を発揮している分野ですので、インフィニオンに負けないように頑張ってもらいたいですね。
レゾナックとしてはインフィニオンと提携強化することでSiCの欠陥低減など品質向上を進めてデバイス性能や歩留りを向上させるウエハを量産いただきたいですね。

基ニュース

レゾナック:プレスリリース(1/12)

2022年の半導体世界市場売上高トップ10が発表

米国の調査会社であるガートナーは1/17、半導体の世界市場売上高ランキングの速報値を発表しました。

同社によりますと、半導体業界全体の2022年売上高は6,016億9,400万ドルで、前年比1.1%増でした。

企業別の首位は韓国サムスン電子で、売上高は前年比10.4%減の655億8,500万ドルでした。市場シェアは10.9%となりました。メモリ市場で落ち込みが特に顕著でしたが、首位を維持しています。

2位の米国インテルもパソコン市場の減速などにより、売上高は前年比19.5%減の583億7,300万ドルで市場シェアは9.7%でした。

3位は韓国SKハイニックスでここまでは昨年と同じ順位でした。

4位は2021年5位のクアルコムが売上高前年比28.3%増となり、順位を上げました。5位は2021年4位のマイクロンテクノロジーでした。

コメント

上位3社は一昨年と変わらない企業が並びますが、3社ともマイナス成長で2022年は苦戦を強いられていたのがよく分かります。
ただそんな中でも4位のクアルコム、6位のブロードコム、7位のAMD、10位のアップルは二桁成長を遂げており、明暗がくっきり分かれた年となったようです。
このランキングは半導体ベンダーのランキングですので、TSMCなどのファウンドリは含まれていない点には注意が必要です。

基ニュース

ガートナー:プレスリリース(1/17)

インテル、22年4Q売上高は大幅減、赤字に転落

インテルは1/26、2022年第4四半期決算を発表しました。

同社によりますと、売上高は前年同期比32%減(Non-GAAPでは同28%減)の140億4200万ドルで、最終損失は6億6400万ドルの赤字となり2四半期ぶりの赤字となりました。 主力事業であるパソコン向けとサーバ向けが共に二桁の減少となっており苦しい状況が続いているようです。

2023年第1四半期の業績見通しは、売上高が105~115億ドルの範囲で、粗利益率を前年同期比14.1ポイント減となる39%(Non-GAAP)としています。

コメント

インテルの苦戦が続いています。2022年は年間を通じて厳しい状況でしたが、2023年もすぐには打開できなさそうです。長年、半導体業界の王者に君臨していたインテルですので、今後の動向にも注目です。

基ニュース

インテル:プレスリリース(1/26)

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